
明日から試せる!腸活の基本を抑えよう|管理栄養士監修

健康を意識したときに、最近は「腸活」という言葉をよく耳にするかと思います。しかし実際に腸活と言っても何をしたらいいかは曖昧ではありませんか?
今日は腸活について掘り下げていこうと思います!
腸の役割
腸活が大事!というものの、そもそも腸はどのような働きがあるのでしょうか。
まず腸は、小腸と大腸に大きく分けられます。
小腸は、胃の下から続く臓器で長さは約6~7mにもなります。小腸からは3大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質それぞれに対する消化酵素が分泌されており、栄養素を吸収する働きがあります。
そして小腸にはこの栄養素の吸収を効率よくできる工夫がなされているのです!それは、小腸は「絨毛(じゅうもう)」という突起構造になっていることです。平坦な面に比べてひだ状になっていることで栄養素を吸収できる表面積が大きくなりより効率よく栄養素を吸収できる仕組みになっています。
大腸は、約1.5mの長さになります。小腸で栄養が吸収された食べ物の残りカスが送られてきてそこから水分やミネラルを吸収する働きがあります。また便を作り排泄する働きもあります。
「腸活」とは?
では本題です。腸活とは、腸内環境をきれいに整わせておくために取り組む活動のことです。食事だけではなく、運動や睡眠など様々な取り組みが関わってきます。
腸の中には、善玉菌と悪玉菌、日和見菌という3種類の腸内細菌が存在しています。名前の通り、善玉菌が多いと腸内環境が良いということになります。また、日和見菌は馴染みがない菌の名前かもしれませんが、これも漢字の通り、【日和見菌=善玉菌と悪玉菌どちらの味方にもなりうる】という菌になります。それぞれの菌の働きや種類をまとめます。
【善玉菌】
・プラスの影響・・・悪玉菌の増殖を防ぐ、免疫を高めてくれるなど
・種類・・・ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌など
【悪玉菌】
・マイナスの影響・・・便秘、肌荒れ、消化吸収力の低下、免疫力の低下、便やおならの悪臭など
・種類・・・大腸菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌など
【日和見菌】
・腸内環境の状態によって善玉菌と悪玉菌どちらの味方にもなりうる
・種類・・・大腸菌(無毒株)、バクテロイデスなど
腸内環境を良好な状態に保ち、日和見菌を味方につけよう!
「腸内フローラ」とは?
腸活を意識したときによく耳にする「腸内フローラ」。これは一体何なのでしょうか?
私たちの腸の中には様々な菌がたくさん存在しており、それらは約1000種類・100兆個にもなります。フローラ(flora)とは、植物相・お花畑という意味があり、菌が密集してお花畑のようにみえることから腸内フローラと名づけられています。正式には「腸内細菌叢」と言われます。
便は食べ物のカスだけではない?
便は食べ物の残りカスからできているイメージがあると思いますが、実はそれだけではありません。便は食べ物の残りカスの他に、吸収されなかった水分、腸内細菌、新陳代謝によって剥がれ落ちた腸内細菌などから構成されます。
そしてなんと驚くことに、便の7~8割は水分からできており、上記の食べ物のカスなどの割合は約2割となっているのです。しかし食事することで便通が良くなることが多いですよね!これは食材がからだに入ることで内臓が刺激されて便が出やすくなるためです。
「プレバイオティクス」「プロバイオティクス」とは?
これらのワードも腸活を調べると出てくると思います。
これらは腸活には欠かせないものですし似ている言葉なので違いをみていきましょう!
【プレバイオティクス】
・消化管の上部では分解・吸収されないため腸まで行き届くことで善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やします。
・覚え方としては、「プレ(pre)=前」という意味があるので腸内細菌の活性化に前もって必要なものとして捉えると覚えやすいです!
・例・・・食物繊維(不溶性・水溶性)、オリゴ糖
・食品の例・・・野菜、こんにゃく、きのこ類、海藻、果物、豆類、いも類など
【プロバイオティクス】
・人体に有益な効果をもたらす微生物・善玉菌そのもののことです。
・例・・・乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、納豆菌など
・食品の例・・・ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチ、味噌、甘酒、ぬか漬けなど
またこれら2つを掛け合わせて取り入れることを「シンバイオティクス」と言います。
善玉菌のエサである「プレバイオティクス」と、善玉菌自体の「プロバイオティクス」を一緒に摂ることでより効果が高まります。覚え方としては、「シン(syn)=一緒に」という意味があります。
簡単に組み合わせてシンバイオティクスを取り入れられる料理の例をあげてみます!
◎腸活スムージー
バナナ+ヨーグルト+甘酒
◎具だくさんみそ汁
野菜・きのこ・海藻など+味噌
◎納豆キムチ
納豆+キムチ
(納豆は豆類、キムチは野菜でもあるため二つともそのものがシンバイオティクス!)
意外と普段から組み合わせているものもあると思います!
自分に合ったシンバイオティクスを見つけてみよう!
食物繊維には2種類ある
先程述べたプレバイオティクスである食物繊維。「繊維」という漢字から腸に残りやすいイメージがありますが、実はそれだけではなく2種類に分けることができます。
【不溶性食物繊維】
・イメージ通り腸に残りやすく水に溶けにくい食物繊維。水に溶けずに消化酵素でも消化されないため腸まで届き、水分を含んで便のかさを増し排泄を促します。便秘を解消するだけでなく、老廃物も出すことで腸内のデトックス効果も得ることができます。
・噛み応えがあり満腹中枢を刺激してくれます。ただし、摂りすぎてしまうと消化不良を起こしてむしろ便秘になったりガスが溜まったりすることもあるので注意が必要です。
・食品の例・・・ごぼう、玄米、豆類、きのこなど
【水溶性食物繊維】
・水に溶ける繊維があるのか!と驚かれる方も多いと思います。野菜や果物、海藻などの口に残る繊維質とはまた違い、これらの食材に含まれる以下の成分が当てはまります。
・食品の例・・・野菜や果物に含まれるペクチン、昆布やわかめなどの海藻に含まれるアルギン酸、里芋やこんにゃくに含まれるグルコマンナン、とうもろこしが原料の難消化性デキストリン
・これらは保水力が高いため水分を含むとゲル状になります。
・効果としては、便を軟らかくする働きもあるため便がかたい場合は水溶性食物繊維を意識して摂るのも効果が得られると思います。また、便通コントロールだけではなく、コレステロールの上昇を抑えたり血糖値の急激な上昇を抑えたりもします。
まとめ
いかがでしたか?
今回はなんとなく聞いたことがある言葉が多かったと思いますが理解を深められたでしょうか?
腸活に取り組むにあたって、ただただ腸にいい食材ばかり摂るのではなくやはり根本は「食事のバランス」が大事になってきます。食事バランスが崩れてしまっていては、いくらいい菌をとったとしてもからだ全体が整うわけではありません。
また、腸にいい食べ物を取り入れたとしても腸内環境には個人差があるため、食材の合う合わないも個人差はあります。上記で挙げた食材を取り入れてみて、もしお腹の膨満感や便秘などの症状が出た場合は食材を見直してご自身に合ったものを見つけてみてください!
普段の食生活を見直しつつ、その上でプレバイオティクスやプロバイオティクスを取り入れていくことが大事です!
明日から一緒に腸活を意識してみましょう!